藤田麻美さん
千束こどもクラブ勤務
ただいま!おかえり!放課後の子供たちを迎えるこどもクラブ
一日のスケジュールを教えてください。
こどもクラブ(学童)は子供たちが放課後を過ごす場所なのですが、私たちの準備は朝から始まります。
毎朝9時半に来て、受け入れ準備をします。室内の清掃・整理のほか、室内消毒や、水質検査、手洗いうがい用のコップの準備など、衛生に関わることにはとても気を使っています。あとは、麦茶を作ったり、手作りおやつを用意したり。事務処理やミーティングなどの仕事ももちろんあります。
夕方からは次々と子供たちが帰ってきます。
「帰ってくる」と言うんですね。
そうなんです!
子供たちはこどもクラブに「帰ってくる」んです。
学校からランドセルを背負ったまま「ただいま!」と帰ってくる子供たちを、私たちは「おかえりなさい!」と迎えます。
千束こどもクラブには、6つの小学校から子供たちが帰ってきています。
みんな制服から私服に着替えるんですけど、制服の取り違えがないように気をつけるのが大変です(笑)
着替えのあとは、宿題。
それからおやつを提供します。季節のおやつを出すようにしています。ときには手作りのものも。
今日はハッシュドポテトを作ったんですよ。
そのあとは、ボール遊びや一輪車などで体を動かし、ボードゲームや工作、手芸などみんなで遊び、そうこうしているうちに見送りの時間になります。
17時から18時までのあいだに随時お見送りします。延長保育利用の子供がいる日は19時が最後のお見送りになります。
職員はそのあと片付けをしたり、日誌を書いたり、夕会で子供たちの様子を報告し合ってから帰宅します。
子供たちの自立と成長を支援
児童館とこどもクラブの違いを教えてもらえますか?
児童館は0歳から18歳までの児童が自由に来館できるところ。
一方こどもクラブは育成料をいただいて、保育をしているところです。
児童館は子供たちが「遊びに来る」ところですが、こどもクラブは保護者が働いている子供たちが「帰ってきて生活」をする場です。
そしてそのなかで各家庭や学校と連携して、子供たちの成長や自立を支援していきます。
子供たちの自立のために気をつけていることはありますか?
トラブルが起こったとき、どうやって解決するか、なるべく子供たち自身に考えさせるようにしています。
職員が仲裁に入らなくても子供たちだけで解決できることも多々あります。
ですが、「さっきどうだったの?」と、何気なく確認することも欠かさないようにしています。
どうしても子供たちだけで制御がつかない場合は、まず話を聞いて受け止める、そこから解決の糸口が導き出せるようにもっていきます。子供たちも大人と同じように不満が限界に達するとどこかで爆発してしまうんです。そうならないように自分をコントロールする方法も身につけてもらえるようにします。難しいですけどね。
涙の卒会!
卒会について教えて下さい。
子供たちもいつかは一人で自宅に帰ってお留守番ができるようにならなくてはいけません。卒会というんですけど、そのタイミングは保護者の方との個人面談で話し合います。
たとえば、保護者の方が「3年生いっぱいで卒会させたい」ということでしたら、私たちは「じゃあ、今学期から週に何回かお留守番の日を作りましょう」と提案します。
少しずつ、学校から自宅にまっすぐ帰る練習をするわけです。
鍵を開けたりするのもはじめは上手くできないものなんです。
毎年3月31日が最終日なんです。その日に多くの子供が卒会してしまうので、やっぱり寂しいですね。
「一生懸命に鍵の練習してきたけど大丈夫かな、明日から一人でお留守番できるかな」と心配なことはたくさんあります。
どうしても心配な子っているので(笑)
「がんばれ!」って思いながら卒会する子供たちを送り出します。
翌日の4月1日からはまた新たに入ってくる子供が大勢いるので、すぐにそっちで手一杯になりますけどね(笑)
事業団の魅力を教えて下さい。
私にとって事業団の他にはない魅力は、児童館とこどもクラブの両方を運営しているところでした。
私は子供のいる職場で働きたいという思いがずっとありました。
最初児童館で勤務したたあと、こどもクラブに異動したのですが、いろいろな選択肢を試せることができてよかったと思います。
あと、私は食べ歩きが趣味なんです(笑)
台東区は浅草や谷中など食べ歩きにぴったりのスポットがたくさんあって良いですよ!
ずっと働く場所だから街の雰囲気も大切です。