小野田祐也さん
特別養護老人ホーム谷中勤務
若者にチャンスをくれる職場! 生活相談員にかける想い
仕事内容について教えて下さい。
私は特別養護老人ホームで生活相談員という仕事に就いています。
入居者様が望む生活を送れるよう様々な調整を行うことが役割で、入居者様の代弁者になることも少なくありません。
仕事は多岐に渡ります。
まず、特養への入居を検討している高齢者の方に、最初に接するのが生活相談員です。
その方の状況をお聞きしたり、施設のご説明をしながら、ベストな選択が出来るようにコミュニケーションを取っていきます。
入居した後は、ご家族様はもちろん、外部の病院などともこまめに連絡を取りながら、職員で連携して入居者様が快適に過ごせるように調整をしていきます。
また、介護士、ケアマネジャー、看護師などの各セクションが集まるミーティングでは全体を俯瞰して、入居者様を尊重した介護方針であるか細心の注意を払っています。
とても重要な役割だと思うのですが、20代で任されるのはすごいですね。
おそらく20代で生活相談員をやる人というのは少ないんじゃないでしょうか。
とても難しい仕事なので大変ですが、若くてもどんどんチャンスを与えてくれる組織にはとても感謝しています。
経験豊かな先輩たちに指導されることも多いですが(笑)、期待に応えられるよう頑張っていきます。
生活相談員は現場を変えられる!
生活相談員という仕事の魅力について教えて下さい。
介護の現場では忙しさのあまり毎日の業務がどうしてもルーティン化してしまい、ケアの質を高めたいと思っても業務的な課題が解決されないまま過ぎていくことがあります。
ですが、生活相談員の質が入居者様の質を左右してしまうと思っているので、忙しさに流されないようにしています。
それには、普段の生活の感覚をより意識すること、入居者様が望む生活を知ることを心掛けています。
生活相談員は入居者様の代弁者でもあります。入居者様の視点になって現場を変えていける、そこが大きな魅力ですね。
同時に毎日がドキドキです(笑)
気をつけているところは?
入居者様が望んでいる生活にどこまで近づけられるか、というのが大きなテーマです。
入居者様とご家族様とで希望が異なることもあります。
たとえば、入居者様は「歩いて行動したい」、でもご家族様は「転んだら困るからジッとしてて欲しい」という場合があります。
入居者様、ご家族様の思いを受け止めつつ、後悔しない選択が出来るよう支援していきます。
入居者様が、入居者様らしい自立した生活を、入居者様自身が決められるよう支援するのが私たちの役割です。
サービスの押し付けにならないよう気をつけなければなりません。
とは言っても、「あのとき他にもっと良い支援があったんじゃないか」と後悔することなんてしょっちゅうです。
だからこそ、チーム全員で納得がいくまで話し合います。
後輩たちが働きやすい職場にしたい
介護業界に入ったきっかけは?
もともとは将来保育士になりたかったんですが、当法人での介護実習がご縁でこの道へ。
2年間通った専門学校がとてもアツい場所で、みんなの介護に対する熱量がすごかったんです。なんというか、自分が問題に思っていることを誤魔化さず、ちゃんとぶつかって議論ができたんです。
そんな友人たちと話していく中で介護の抱える問題が少しずつ見えてきました。
なにか大きな改革を起こしたいとか、そんな大きなことは思っていませんが、介護業界では理想と現実云々よく言われるので、理想なんてことではなくて、極々当たり前の生活が入居者様に確保されて、普通に当たり前の日常生活を送ることができるようにちゃんとやりましょうよと強く思います。
これからの目標は?
介護の現場では、離職率が高いと言われています。
実際に新卒で入ったのにすぐに辞めてしまう人も少なくありません。
でも彼らにやる気がなかったのかというと、その逆で、何かやってやるぞ、介護をもっと良くしていくぞと、大きな希望を持ってこの業界に入ってきたと思います。それを思うと、今改めて去られた方々に対して残念でなりませんし、私自身、力の無さを痛感しています。
働き手から見たとき、介護業界はまだまだ環境が整っているとは言えません。
それにはいろいろな要因があると思いますが、新人から学ぶこともたくさんありますので、若い人がもっと自由に意見を言える風潮を作ることで現場はもっとよくなるはずです。
生活相談員は入居者様だけでなく、働く人の環境も良くしていくことが仕事だと思っています。
自分よりも若い人が就職してきたときに、しっかりと1人の専門職として輝ける場を提供すること、それも僕の大きな目標ですね。
就職を考えている方には、僕と一緒に良い職場を作って行きましょう!と言いたいです。